0010 文京 ゼンイチ (90/90)

「オン!」



ズシオウマルが走りながら鳴くと、俺はズシオウマルに着いて走り出していた。



俺は何をやっている?



つうか嘘だろ?



なんとなくだが、犬が言っていることが分かるんだ。



『止まれ 助けろ 着いて来い』



どうなってんだ?



SCMは、犬とも会話できるのか?



訳が分からない。



後ろからは、あのメガネが追いかけて来る。


普段なら絶対に負けねえが、今はズシオウマルとの戦いで俺は疲労している。



正直、逃げるだけで精一杯だ。



目黒の野郎は何やってんだ?



俺は夢中で走りながら、前を走るズシオウマルのケツを見た。



俺がこいつの奴隷になったて事は、ルシエも目黒も奴隷になったって事だよな。



「ちぃっ!」



ふざけんなよ。



俺の会長計画はどうなる?



絶対納得いかねえからな。



俺は犬の奴隷のまま終わる気はねえぞ。



「アオン!」



「ひっ!」



バタン



ズシオウマルが鳴いた瞬間、俺はビビって転んだ。



見上げると、白い大きな犬が立っていた。



後ろを見ると、いつの間にか、あのメガネは追って来ていない。



俺はもう一度、ズシオウマルを見上げた。



犬は俺を見下す様に立っている。



この犬。いつか殺してやる。



俺の会長プラチナ計画は、まだ終わらねえからな。



覚えとけよ。



くそ!