0010 文京 ゼンイチ (25/90)
「どわい!お前何やってんの!?風邪引いちゃうよ!?ていうか変態じゃね!?」
目黒はただ俺を見ている。目が真っ赤で、唇が紫色でガタガタと震えてやんの。
「へへっ 悪かったよ 服着ていいぞ」
そう言うと、目黒はすぐに服を着始めた。
「パチンコ大勝ちでさあ 暖かいもんでも食い行こうぜ」
服を着た目黒と俺は、駅前の居酒屋に入った。
席に着き、頼んだキムチ鍋とビールを飲みながらハシで目黒を差す。
「で お前は赤黄緑のどれだったの?」
「黄色 奴隷でした」
目黒は茶碗に注いだ鍋の汁をすすり、顔を下に向けたまま答えた。
「ふーん 前の主人はどんな奴?」
「女」
目黒はただ一言そう言ってきた。
「へえ?俺に勝負挑もうとしたのも その女の命令?」
「そうです」
「名前は?」
俺に前の主人の名前を聞かれた直後、目黒は一瞬黙った。
そして、ゆっくりと茶碗を机に置いて答える。
「杉並 ルシエ」
ルシエ?今時な名前だな。ババアじゃなさそうだ。