0010 文京 ゼンイチ (10/90)
駅前から10分前後歩けば、黄色反応の間近に着く。
だが○の範囲内が広くて、反応周辺に着いても詳しい場所が分からなかった。
「ちぃ」
俺は小さく舌打ちする。クソ寒い中ここまで来て、何の収穫も無しだ。
辺りは一戸建てやらアパートやら、こんな中からSCM着けた奴探すなんて無理だろ。んだよ、マジ。
真っ先にあの黄色○を俺の奴隷にしようと思ってたのによ。そう思いながら、SCMをポケットん中で握った。
待てよ?
俺は持っていたSCMの説明書を開いた。
確かSCMを着けて、30M以内に他のSCMがあったらアラームが鳴るとか、ほら説明書に書いてあった。
しかも30M、15M、5Mって、近付く度にアラームが鳴るんだ。
SCM着ければ、相手の居所分かんじゃん。
やべっ。今日の俺マジ冴えてんじゃね?
俺は早速SCMを包むビニールを破き、口ん中にハメてみた。ちょっと痛え。
ベロでSCMを押したりしてみるが、何も起きねえ。不意に冷えた風が俺に当たる。
「んだよ」
口の中でそう言いながら来た道を一歩、戻ろうとした。その時。
『 キュイ──ン 』
「ふお」
びっくりして思わず声を出しちまった。何だ今の音っつうか振動。これがアラームか?