0010 文京 ゼンイチ (2/90)

若い頃は仲間と愚連組んで遊んでいた。


自販機ぶっ壊したり、居酒屋やキャバクラで逆ギレしてタダ酒飲んだり。


ケンカ売って買って、マッポにタンカ切って殴って逃げて捕まって。


楽しかった。


だが、いつの間にか周りの奴らは結婚したり、仕事に打ち込んだりしだした。


テロテロのスーツ着て、ヘコヘコしたり、クソ暑い中で重たい物担いでクソみたいな金額稼いで、ガキやブサイクな嫁の為に働いてよ。


どいつもこいつもつまんねえ。だが俺は違う。


一生変わらねえ。一生このままでいく。俺は死ぬまでギラギラしててえ。


だが、最近は不幸続きだった。


ある朝、起きたら一緒に暮らしていた女が出て行っていた。


家電とダッチワイフぐらいにしか思ってない女だったが、家賃は女持ちだから、結局俺は家を出て行くしかなかった。


連れの家に泊まり歩いたりもしたが、1週間もすると迷惑そうに「出て行ってくれ」とか言い出す。


仕方ねえから、仕事を探すことにした。誰かの下で働くなんて、マジ気に食わないが金ばかりは稼がないと携帯の充電もできねえ。


そんな人生のドン底ん中で見つけたのが、キャバクラの店長候補の募集だった。


早速応募して、面接で言われたんだ。


「君みたいな若者を待っていた」