0009 中野 タイジュ (64/65)
「けどその後に ジュリアは俺と勝負したじゃないか」
俺がジュリアに向かってそう言うと、今度はジュリアが話し始めた。
「それは単に あなたと会ってからSCMを取り替えただけ」
ああ。俺がキャバクラからジュリアが出てくるのを待っていた時か。
くそ。携帯を見て確認すれば良かった。
けど確認していても、あの時の俺は大して疑問に思わなかったかもしれない。
「主人に挑む者を 極力ジュリアが相手をする為の処置だ」
俺とジュリアの間に、中央がそう言ってきた。
主人を守る処置か。見事に俺が引っ掛かった訳だ。
「ジュリア達の主人はリュウオウ様って言うの」
「りゅうおう?」
シヲリさんも初めて聞くようで、不思議そうにその名前をつぶやいた。
「車内でのジュリア達の会話も ずっと監視していた」
会話を監視?
「どうやって」
ジュリアは手に持っていた携帯をかざし、俺にディスプレイを見せてきた。
ディスプレイには通話時間が表示されている。すでに30分以上だった。
ジュリアの携帯は通話中だったんだ。
だからジュリアは常に携帯を開いていたのか。