0009 中野 タイジュ (55/65)
「憎い男が犬の奴隷になったんだ まあ お前にとってはいい様だろ」
確かにゼンイチが犬の奴隷になったのは笑える。
けど、今の俺には中央とジュリアからその話を聞いただけだし、何よりこの状況は笑えない。
「ズシオウマルとゼンイチも奴隷にしたのか?」
「そのつもりだったが どちらにも逃げられた」
それが1番ざまあ見ろだ。
そう思った直後に、手足をビニールテープで縛られている事を思い出す。
俺は手首と足首を縛られ、イモムシみたいにベッドに寝かされている。
「あた 俺をどうすんだ?」
「負けて 仲間になってもらう」
俺の疑問に中央はそう答えた。
「けど あんた達がシヲリさんを解放しないと俺の負けはありえない」
俺の負けの定義は、中央がシヲリさんを解放する事だ。
「気絶させる前にも言ったけど 勝負を終わらせる方法はある」
確かにジュリアはそう言ったが、どういう事だ?
「悪いな」
中央はネクタイを拳に巻きながら、俺に近付いてきた。
ゴツ
近づいてきた中央は、また俺の顔を殴った。
今度は気絶させない為か、頬を思いっきりだ。