0009 中野 タイジュ (18/65)

どうしよう!どうしたらいい!


どうすれば確実にシヲリさんを、あいつから解放できる!


シヲリさんを奴隷から解放しなきゃいけない!


最悪でも、安全でまともな奴にゼンイチが負けてくれれば!


携帯の時計機能を見たら、俺が駅前に着いてからまだ5分もたっていない。


早くしないと!早くしないと!


俺の思考に、血だらけのシヲリさんにキスをするゼンイチの姿が映る。


あの野郎、奴隷にした途端にシヲリさんにキスをしやがった。


早くしないとゼンイチはシヲリさんに、何をするか分からない。


けど、助けを求めた奴に確実にゼンイチを倒してもらわなきゃ!


確実にシヲリさんを解放しなきゃ!


主人が変わってもシヲリさんの身を安全にできる、交渉や交換条件があれば!


生まれて初めての勢いで、頭の回転をフルにして考えた。


けど、思考に光は照らされない。



どうしよう!どうしたらいい!



シヲリさんを助けられるなら!




シヲリさんが助かるなら俺は!




俺は




どうなってもいい。




そう思った瞬間、心の中の迷いや不安が、軽くなった気がした。