0009 中野 タイジュ (8/65)

   『 カチカチッ 』


俺の口の中のSCMが鳴り、ついにシヲリさんが俺の奴隷になったんだ。


「あたし 奴隷になったみたい」


シヲリさんがそう言った時、うれしいような、残念なような気がした。


宝物が、全部手に入ってしまったんだ。


熱が少し冷めた気がした。


「あたしをどうすんの?」


思っていた奴隷の雰囲気とは違うが、シヲリさんの質問に、俺は初めてシヲリさんに素の声で答える。


「まず 俺のこと 許して下さい」


シヲリさんは気分も悪いはずだし、混乱してるはずなのに、爽やかな笑顔だった。


「それはいいよ ビックリしたけど おもしろかったし」


奴隷になっても、気位を保つシヲリさんには心底惚れた。


その時に思ったんだ。


奴隷にするとかしないとか、もう辞めて告白しようって。


何もかも告白して、可能なら15M先から見守ろう。


奴隷にして、何もかも叶えても、俺はきっとシヲリさんに飽きてしまう。


1人の普通の男として、シヲリさんに接し、できるなら愛される関係になりたいと思ったんだ。


解放するのがせめてもの誠意だ。


「約束通り 解放します」