0008 足立 シヲリ (32/55)
さすがに、さっき会ったばかりの男に、高価なペットを買わせるのは無理だろうけど、お菓子程度では中野ちゃんには勝てないだろう。
そしてあたしは無類の犬好きなんだ。ペットショップがあれば、とにかくまず見に行く。
あたしとレイバンは、ペットコーナーに向かった。
中野ちゃんとオデは、一時別行動で、食品コーナーを見て回るそうだ。
ペットコーナーには、独特の動物臭とキャンキャン騒ぐ子犬達がいた。
「うほ!ちょー可愛い!」
レイバンがショーケースに手を触れながら叫んだ。
ていうか、レイバンは「うほ」と「新しい」が口癖のようだ。
確かにショーケースに入ったワンコ達は可愛いかった。
自分の尻尾を追いかけるお馬鹿なチワワに、寝転がるキングチャールズスパニエル。
こちらをただ見つめる賢そうなシュナウザーに、常に困った顔のブルドック。
「やべー やべー!ちょー可愛いー!」
レイバンはひたすらあたしと犬を交互に見ながら、可愛いを連発していた。
あたしはレイバンの後ろで、腕を組んで黙って子犬達を見ている。