0008 足立 シヲリ (28/55)

そんなあたしと中野ちゃんの会話に、チャラ男が入ってくる。


「女の子ってー ナンパされたら お互いの顔見合せてコソコソ話するよねー」


今のは勝負の提案についてだったが、それは当たり前だ。


見ず知らずの野郎に声をかけられたら、女の子だって戸惑うだろ。


「あー どこ連れてってくれるんすか?」


あたしがチャラ男の1人にそう言うと


「カラオケどう?カラオケ こいつマァジ歌うまいから!」


黒髪のサングラスが、茶髪の男を指差してそう言った。


茶髪は「よせよ」とか言ってる。


「カラオケよりさあ あたし達 買い物行きたいんだよねー」


あたしの提案とアイコンタクトに、中野ちゃんは唇を含んでウンウンとうなずく。


犬みたいで可愛いわあ。勝負始めちゃったけど、勝てる気がしないよ。


サングラスの方が、テンション高めで食いついた。


「マジ?マジ?どこ行く?マルキュー?マルキュー?」



「スーパー」



あたしの言葉に男達は一瞬、沈黙する。



「え えええ?」



さすがに引いたかな。けど、服とかアクセサリーとかの高価な物より、スーパーで買える物の方がリアルになんとかなる気がするんだよね。



「あ」



「新しくね?」



「新しいわ!行こ行こ!」



おお。こいつらノリいいな。