0008 足立 シヲリ (21/55)

中野ちゃんは紅茶を一口飲み、テーブルの上の説明書に手を置きながら話し始めた。


「さっき SCMがキーンって何回も鳴りませんでした?」


「あ 鳴った」


「あれが 多分互いの接近を知らせるアラームなんです」


「多分?」


「あたしも初めてなんで」


あたしはふと疑問に思い、タバコを取り出しながら聞く。


「中野さんは これをどこで手に入れたの?」


「ネットで買いました」


あー、ネットねえ。


あたしインターネットとか、あんまやらないんだよなあ。


ていうかあたしも購入経緯を聞かれたらなんて答えよう。


仕事も特殊だしなあ。


「足立さんはどこで?」


聞かれちゃったよ。


「仕事の客から貰って」


うん。当たり障りないな。


「そうなんですか」


中野ちゃんはあたしの答えに、何かを考えてる素振りを見せた。


あたし変な答え言ったかな。


数秒後に、中野ちゃんが口を開く。


「あの」


「はい?」



「勝負 しません?」



「へい?」