0008 足立 シヲリ (5/55)
謎なのは、この姫様カフェが繁盛してるということだ。
開店当初はテレビの取材も来たり、雑誌にも載った。
最近では、うちの店を真似した店も出ているらしい。
女の子も友達同士でよく来て「働きたーい!」と騒ぐ。
実際働きたがる女の子も多いし、在籍している女の子もかなりの人数だ。
けど男の客が、何を求めてこの店に来るかは謎だ。
あたしが今、接客している男も、終始ニヤニヤしながらあたしに質問をしてくる。
「シヲリお姫様は おトイレとか行くんですか?」
模範解答は「お姫様はトイレに行かないのよ」とかだが、あたしはすでに言い飽きていた。
「ええ バラが出てくるの」
わりとギリギリだ。
しかし、あたしの答えに客の男はキャッキャッと笑う。
他のお姫様はこういう客が気持ち悪いと言うが、自分の冗談に笑ってるだけなら可愛いもんだ。
「じゃあ じゃあ いつからお姫様なんですか?」
このバイトをする前は、ガソリンスタンドや、居酒屋に寿司屋をやっていた。
「女の子はみんな 生まれた時からお姫様なのよ」
女の子はみんな
生まれた時からお姫様 か。