J000 世田谷 ツバキ (77/135)
1、2……。
この場にいる全員のカウントが2秒を刻んだ。
「……渋谷サチ、失格だ」
大田ユウガが残念そうに言った。
渋谷サチはただ静かに、席を立った。
加速した発言勝負で「何も喋るな」、か。
僕ですら思考を止めた。渋谷サチからすれば、たまったものではないな。
渋谷サチ本人の、奴隷の歴も手伝ったのだろうか。それとも元より命令口調に弱かったのかもしれない。
フジコは渋谷サチの脱落に嫌味を吐くわけでもなく、大きく深呼吸した。
随分集中力を消費したのだろう。精神を削る戦いなのは確か。
大田ユウガは渋谷サチの肩をポンと叩いた。
「……よく頑張ったと思うよ。さあ続きだ。順番はフジコさんからで」
彼はシンノスケの元親友だったな。
残るは台東フジコと江戸川リュウオウの一騎打ち。
フジコが勝てば、僕の派閥の勝利だ。
僕は彼女の肩に手を添えた。
「頼みましたよフジコさん」
「……まかせてご主人様」