J000 世田谷 ツバキ (34/135)
「だから、この勝負で最後にしよ」
「それで、その記念すべき勝負の内容は?」
「リュウオウには既に説明した。僕が提案したものでいく」
前に出てきたのは、大田ユウガだった。
「3派閥によるフェスティバルマッチだ。要するに天下一武道会だよ」
「……あんまりふざけるなら帰るわよ」
台東フジコの眼鏡に、大田ユウガの微笑みが映る。
「大マジさ。フェスマッチ、今回のルールは、各派閥から1人選出し、勝負を行う。勝負は3回」
互いの奴隷を使った、精神力の勝負。大田ユウガはさらに続ける。
「SCMによる勝負を行うのは荒川エイア、江戸川リュウオウ、世田谷ツバキ、各派閥の主である3人。実際に勝負するのは各派閥の者なら、奴隷でも主人でも構わない」
大田ユウガは親指、人差し指、中指の3つを立てた。サイン、コサイン、タンジェント。
「勝負は3本勝負で、2本取った派閥の勝ち。各派閥がローテーションで勝負内容を1つずつ提案する。タイ(引き分け)なら、決着が着くまで続ける。可能な限り、イーブンだろ」
「ふうん、フェスティバルマッチねえ……」
一瞬だけ、フジコは僕の車のほうを見た。
勝負するのは各派閥の者なら、奴隷でも主人でも構わない……つまりトランクのなかの〝彼女〟もOKか。
目黒マサカズは病院にいる、文京ゼンイチは中央アタルの車で拘束中。
「そういえば、品川ゼロは?」
「行方不明だ」
フジコの疑問に答えたのは、リュウオウだった。
「ふうん。伏兵かしら?」
「そうかもね」