0021 千代田 マリヤ (55/85)
霊の類って、あの霊?幽霊の霊?ゴースト。
「絶対その母親の霊が取り付いたんすよ!」
何この子?斜め上の方向から信じちゃった。いや、ノリでひやかしてるのかとも思ったけど。
「い 言われてみればそうかも……」
「絶対そうすよ!畜生!何でそんな かわいそうなことが起きんだよ!」
いつの間にか涙目だし。鏡越しで嘘ばかり付いてきたから分かる。これは本気で信じてる顔。
「何で世の中ってこうなんだよ!何も悪くない人が どうして嫌な思いしなきゃいけないんだよ!」
訳の分からないことばかり言ってるけど、要するに正義感が強いのかな、ていうのがシンノスケくんへの第一印象だった。けど。
「千代田さん!おいらに出来ることは!?」
すげえバカ。すぐに、そんな言葉が過ぎった。
息子の片割れ、シンノスケは生きてる。そう伝えれられればいい。
「今は外国にいるって事にしてさ 一瞬だけ会っちゃおうよ ね?」
「分かりました!」
彼はカレーの恩がどうとか言って、喜んで協力してくれると続けた。
こうして、彼と番号を交換するに至った。ゼロくんに会っても、母親に対する気持ちで接してくれるとシンノスケくんは約束してくれた。
キヨを騙し、その場凌ぎ。信用を買って、ゼロくんとアバンチュール。
ぼくの中の算段が、バカみたいにうまくいっていた。