0006 豊島 アヤカ (8/64)
あたしの質問に、セイヤは目をそらして黙った。そして。
「気持ちの悪い 痛い女だと思ってる」
あたしは目にすごい力を込め、唇を内側に含んだ。
覚悟していた。
「あたしはずっと言うこと聞いてきたじゃない どうして今さらSCMで奴隷にしようとしたの?」
「面倒くさかった」
「は?」
「お前にコビを売って ご機嫌とったり営業したり」
コビ。ご機嫌。営業。
「夜中にリスカしただの眠剤飲んだり」
リスカ。眠剤。
「励ましたり 愚痴聞いたりするのが 始めは耐えられたけど もう 面倒臭かった」
あたしの心の中に、セイヤの言葉がズブン ズブンと突き刺さる。
「SCMを使えば お前は無条件で金を落としてくれるかと思って」
大丈夫。あたしはまだ耐えられる。
「他には?あたしが稼いだお金は何に使ったの?」
「バイク買ったり パソコン買ったり」
それは聞いていた。あたしを1番に乗せてくれるって言ってくれた。
「 彼女と ジャマイカ行ったり 彼女が欲しがっていた犬を買ったり 友達にキャバクラおごったり」
ああ やっぱり彼女いたんだ。言葉から同棲していたのも分かる。この間、ジャマイカ行ったのは彼女とだったんだ。
けど彼女がいたのはいい。隠されてたのも、嘘もいい。影で友達と、あたしの悪口を言っていたとしてもいい。
1番辛いのは、夢が覚めること。
「ふふ」
あたしは自分の思考で不意に笑った。
自分で覚ましたのに。