0021 千代田 マリヤ (36/85)
ぼくの大声に、初めてキヨゼロが反応した。止まった。
「なにをー?」
振り返った彼の笑顔は子供の無邪気そのものだった。
「探すから!シンノスケって人!あなたの子供!」
ゼロくんの双子の兄を!
キヨゼロは片頬を見せたまま、幸せそうに笑った。声は出てないけど、アハッて。
「だからマリヤのこと大好きなんだ」
天使の様な悪魔の言葉。
深く考える事よりも、彼の声で聞く大好きという魔法の言葉で、心に生暖かいものが注がれる。
ああ。声、好き。この声超好き。いい声。
ちょっと高い、まだ幼さが残るハスキーヴォイス。
瞬間瞬間で江東先輩とダブる。
思い出した。ぼく、彼女の声も好きだった。
ぼく声フェチかも、とさえ思う。