0019 練馬 ヨシムネ (24/63)

焦りこそ敗北への近道。


照準を合わせ、じっくりと標的を狙い、撃つ。


それが必勝への確実な道。


ミナミとワシは似てる。だが違うのは詰めの甘さ。その本質は年の功、時間の使い方。


ミナミは1人で来た。少なくともワシの目の前には1人で。伏兵もいるかもしれないが、この部屋には入れないはず。


その自信はどこから?


すぐに分かる。それは必勝から。が、ミナミに必勝を考える頭は無い。


この子の売りは無邪気な残酷、そして非常識な勢いとわがまま、自意識過剰な心持ち。世の中はそういう人間が何だかんだ得する様にできている。


さしずめ、リュウオウ君辺りに入れ知恵されてきたんでしょ。


小僧どもの悪知恵に騙される巨悪であってはいけん。


ワシはひたすらクジ引きを睨む。


シンプルに考えろヨシムネ。



熟考こそ大敵。



熟し過ぎた果実は腐り、煮えたぎった料理はまずい。



熟考し、二周三週した思考に答えは無い。



クジで決める勝負。


クジ。 勝負。


「にひゃくごじゅうはち」


部屋に、ワシの声だけが響いた時、ワシの脳裏に答えが導かれた。



そうか。