0019 練馬 ヨシムネ (15/63)
ミナミ。
ワシの後ろに立っていたのは、ミナミだった。
細かい黒の水玉模様が入ったブラウスに、ズボン吊りが付いた黒いスカート。今はサスペンダーって言うのかしら。
タバコのフィルターみたいな色をしたブーツが、小さな身体に不釣合いで印象的な可愛さを感じるわ。
ミナミが持っている大きめのバッグは、以前ワシが買ってあげたやつ。嬉しいじゃないの。
男の子みたいな格好だけど、今こういうの流行ってるのかしら。あのブーツ今度ワシも買ってみようかな。
普段なら「あら来たのおしゃれさん」なんて言ってあげる所だけど、今はそれ所じゃない。
「ひゃくさん ひゃくよん」
「おい 何やってんだジジイ」
「ひゃくなな」
ワシは卓の上に置かれたメモに走り書きをする。流石に喋ったら、数えてる数字を忘れちゃうもんでね。
「ツバキに一億まで?命令された?」
「ひゃくじゅうはち ひゃくじゅうきゅう」
ワシはコクコクと頷く。
「バカじゃねえの 何やってんだし」
「ひゃくにじゅうさん」
ね。そう思うよね。