0018 北 ミナミ (44/67)
「つうか病院行けし!マズイだろ おい!」
「そんな暇無い!リュウオウ様に会わないと!」
会わないとじゃなくて、会いたいんだろ。
けど今のあーしは、こいつに従うしかない。今、仮の主人はこいつなんだ。
アンジュは足を引きずって、玄関に向かった。
「お おい!その格好じゃマズイだろ!」
血だらけで、体中に髪の毛付いてんのに外出るなし。
あーしはすぐに洗面所へ行き、ハンカチを濡らしてアンジュの手や足を拭いた。同時に髪の毛も掃う。
カーディガンを着させれば、シャツのシミや汚れは誤魔化せるけど、スカートも破れてるし。
洗面所にあったタオルを、アンジュの足に巻く。これでなんとなく大丈夫か。
あーし、何やってんだろ。
「ありがとう」
「いーよ」
お礼言われる意味が分かんねーし。
けど、言われたお礼が無性に嬉しかった。