0018 北 ミナミ (42/67)

「勝っだぁ!アンジュが勝ったよおぉ!」


アンジュは顔をクチャクチャにして、目から涙をポロポロと流している。


「はずしでぇ!早ぐ!」


てっきり足の縛りの事かと思ったら、アンジュは泣きながら自分のSCMを外した。直後にこいつの言ってる事を理解したあーしもSCMを外す。


こんな状況でもGPSの反応を意識してるのは、何回も勝負に立ち会ってるからだと思った。


「いだあい!いだあいよぉ!」


痛い?今更?


そう言いながら、アンジュは座ったまま自身の足を抱いて、さする。


「いだいよぉ!いだいょお!」


こいつ。


こんなにギリギリだったんだ。


血だらけの手足で、辺りには落書きと髪の毛。胃液を吐き出して。


1人で、騙して。泣いて。叫んで。噛み付いて、勝って。


あーしより怖かったんだ。我慢してたんだ。


泣きてーのはこっちだし。


「っちぃ 何なんだよ」


あーしはそう言いながら、自分が持ってたハンカチを、ジュリアの傷から腿の付け根に近い方へ当てて、押した。


アンジュは甲高い悲鳴を上げる。


「ぁぁぁぁあ!ヤメデよぉ!痛い!」