0018 北 ミナミ (2/67)
「何だよお前!何なんだよ!?」
あーしはジュリアに向かってそう叫んだ。
こいつの手には、調理用の包丁が握られている。
「っざけんな!バカ止めろバカ!」
普段はトマトとか、野菜を切るやつだけど、こいつはそれで生きた人の肉をかっさばこうとしてんだ。
コイツ、ありえねーし!おかしーし!
「はあっ はあっ」
あーしの叫びの直後、部屋がジュリアとウチの呼吸音だけになる。
心臓がドキドキなんて通り越して、ダックンダックンと、喉元を揺らしてる。
口から鼓動の音がするんじゃねえかって程。
窓に張ってあるダンボールの隙間から日差しが漏れて、光のツブツブが見えた。
もう、夜が明けてるのに全然眠くないほど興奮してるし、つかそれ所じゃねーし。
あーしは今ジュリアを監禁したマンションにいる。
もちろん監禁してるジュリアも一緒に。
そしてジュリアとSCMの勝負を始めたんだ。
部屋の辺り一面には、ジュリアの長い髪の毛が散乱して、美容室みたいに床を黒く染めている。
勝負の中で、ジュリアが髪の毛をバッサリ切りやがった。
髪の毛の下には『助けて リュウオウ様』と書かれた不気味な無数の文字。