0017 江戸川 リュウオウ (58/58)
何で、ジュリアは北ミナミといる?
練馬達から逃げた?
どうやって。
「リュウ オウ様ぁ」
連中の間から、くしゃくしゃに泣き顔を見せるあいつは何も変わって無いけど。
「おい!救急車呼べ!救急車!」
タイジュの声。
騒いでる連中の中で、僕だけが孤独に疑問を膨らませてた。
こいつは本当に、僕の知るジュリアなのか?
ゼロの裏切り。
そうだ、タイジュだって怪しい。
あいつ、あのタイミングでトイレに行って、そしたらマリアが現れた。
タイジュがマリア?
いや、変わり身が早過ぎだ。
でもあのタイミングで尿意なんて怪しい。
何なの。全部。
タイジュ、ゲッコウ、ジュリア、マリア、ゼロ。
僕は何を信じればいい。
せっかくジュリアに再会できたのに、何なんだよ。
また、僕の心が冷えてくる。
僕は何を信じればいい。
視界の外れ、ブランコの下に、風に転がされる乾いた緑が映る。
死んで動かなくなった蟷螂(かまきり)が、仰向けで空を見ていた。