0005 荒川 エイア (7/29)
「その元彼くんと 新しい恋人くんと会えない?」
私は単刀直入に友人に切り出した。
まだ何かを話したそうな友人は、ぐちゃぐちゃになった顔を、もっとぐちゃぐちゃにして言う。
「連絡はとれるけど なんで?」
さすがに今の状態の友人に、興味本意で見てみたいとは言えない。
「だっていくつも意味不じゃん エッチしたんでしょ?両刀って事?あっちからナンパして告ってきたんでしょ?」
私は少し、本心を理屈で隠してみた。
「で 別れたい理由もゲイだからってだけって 何か矛盾してない?ゲイである前に人間同士の付き合いなんだから失礼でもあるしさぁ」
友人は恐らく、私の弁論の半分も理解していないであろうに、私の話にうなずく。
「だよね 分かった 言ってみる でも私から会いたいって気まずいから あたしの友達のエイアが会いたがってるっていう名目でアポっていい?」
「問題無いよ」
ここまで素直にアポを取り付けるということは、恐らく私を理由にして利用してでも彼に会いたいのだろう。
友達相手に理由や利用という言葉はあまり使いたくないが、互いにメリットがあるからこそ納得できる。
こうして私たちは、自称ゲイの元彼くんにコンタクトを計った。