0017 江戸川 リュウオウ (2/58)
妊娠したメスの蟷螂(カマキリ)を見つけた。
ジュリアが捕まった。
家の近くの駐車場、車を止める四角い止め石の裏に、その蟷螂はいたんだ。
ジュリアをさらったのは、SCM制作者。
その蟷螂の腹はパンパンに膨れ上がり、その場から動こうとしなかった。
世田谷ツバキ、そして北ミナミと練馬ヨシムネ。
触ろうとすると、必死で前足を振り上げ、攻撃してくる。
そして、台東フジコも奴隷になった。
蟷螂はきっと卵を孕んでいるんだろ。
計画はフジコのせいで筒抜け。
「ここにいたら 轢(ひ)かれるよ」
携帯による盗聴も高校を出た時から途絶え、中央達も練馬の手下に襲われて散り散りになった挙句、目黒が捕まった。
練馬ヨシムネは、僕のママが働く店の経営者。
僕はカバンから下敷きを取り出し、蟷螂をそれに乗せた。
奴らは、僕からどれだけを奪えば気が済む。
何だか、疲れてきた。正直、もう何もかもが面倒臭くなっていった。
下敷きに乗せた蟷螂は、腕の関節を締めて警戒を表していた。
僕はママを助けようとした。
孕んだ子を守ろうとするメス蟷螂か。
ジュリアも、僕を守る為なら何でもするんだろうな。