0005 荒川 エイア (4/29)

暇な奴に限って、情緒的で物事をよく考える。


私もそうだ。


都心の早朝の駅では、泥酔した若者達をよく見かける。


しゃがみ込んで悩みを泣きながら打ち明け合い、傷を舐め合う若い男女。


それを一瞥(いちべつ)しながら出勤する大人達。


そしてそれらを観察する冷めた若者達。


そのどの人種も経験も、私の中にあるからこそ分かる。


みんな紙一重だ。


私は普通の家庭で育ち、普通に小中校を経て、高校の時にみんなより少し遊び過ぎた結果、大学にも行かず転々とアルバイトをしながら、実家で親と暮らしている。


普通の生活をしている中で、冷めた感覚のあたしは自分だけでは無く他人も観察していた。


今 早朝のとある駅で、高校からの友達と待ち合わせをしている。


昨夜から3時間の長電話の結果、会って話す事になった。


あの3時間分の電話代は何だったのだろう?


電話の内容は、最近彼女は失恋したというものだ。


何でも3ヶ月付き合った彼氏に、ゲイだと打ち明けられたそうだ。