0016 葛飾 アンジュ 蝶 編 (43/79)
「へっ?」
小声で何か聞こえた気がしたけど、フジコ先生は話し続ける。
「だから あなたに興味が湧いた 単純に好きになったのよ」
「こわ きも」
「0の興味がプラスになっただけよ」
思わず鳥肌が立つジュリアに対して、フジコ先生は微笑みながら話し続けた。
「だからSCMや奴隷同士とか度外視して 最大限 私個人の あなたに対して親身な事を言うわ」
「よくわかんない 本当 分かる言葉で言って 何が言いたいの!?」
和んだ笑顔を見せていたフジコ先生の顔が、突然雪女みたいに冷たくなった。
「堕ろしなさい」
頭が真っ白になる。
「は?」
怖い。なんか無性に怖い。
「や やだ」
「リュウオウはあなたが思う様な生易しい人間じゃない」
「違う」
みんなからしたら気味が悪くて冷徹に見えても、リュウオウ様が今している事の全てはママを助ける為。
それを聞いたらフジコ先生だって考えを変えるに決まっている。けど、それは誰にも言えない。言ったらいけない事なんだ。