?日目 (4/8)
同じ高校を受験する筈だったのに
澪は地元とは遠い高校を選んだ。
引っ越すつもりかよ、そんな遠い学校行くとか!!
蓮見「…澪!」
俺は地元の高校に
澪は俺とは違う、別の高校に
それぞれ新しい道が決まって
早いもので卒業式。
さすがに今日くらいは口をきいてもらえるだろ。
卒業式だし、澪は向こうで寮に入るみたいだし。多分もう前みたいに頻繁に会うことはない。
それなら、尚更…!!
澪「よっ、久しぶり!」
蓮見「よって…お前…」
澪「話すの久しぶりだね~
あ、ちょっとだけ身長伸びた?」
ケラケラと笑いながら自分と俺を見比べる澪。いや…全然俺の方がデカイからどう見ても。
澪「私さ、地元の高校を選ばなかったのは別に洸太を嫌いになったからとかじゃないよ」
蓮見「…え、」
澪「私が行く高校、実はバレーボールの強豪校でさ。なかなかの。
監督に来ないかって、お誘いをもらったの」
澪はスポ小でバレーボールを始め
中学でもバレーボール部だった。
蓮見「…そうだったのか」
澪「うん!
迷ったけど、やっぱり本気でやりたいしね!地元の高校を選んじゃうとバレー部ってないしさ」
いつもの…澪だ
毎日見ていたあの素の笑顔
明るくて、眩しい澪の笑顔だ。
蓮見「別々の高校になっても、俺はお前のこと忘れたりしないからな」
澪「当たり前でしょー?
この私を忘れたりなんかしたら、承知しないんだから」
蓮見「…頑張れよ。応援してる」
澪「…ん!頑張るよ!」
トンッと、お互いの拳を合わす
喧嘩した後の、俺達流の仲直りの証だ。
****
昴「…へえ。
洸太に幼馴染みがね…」
蓮見「ああ。
で、あいつ1年生だってのに実力でレギュラー入りするし。試合も見に行った。
格段に上手くなってたし、何より楽しそうだった」
生き生きとしていて
スパイクを決める時なんか、もうすげーかっこよくて
周りがキラキラ輝いていた
蓮見「…でも
もう、そんな澪を見れなくなった」
***