オフィスラブ (2/10)

笠井「・・・・・・・・犬村?おい....犬村!!」


深々と突き刺さったナイフは


着実に、犬村の命を削り取る。



それはまるで



魂を刈り取る死神の様に。







犬村「ぐっ.......ぶ、無事か.....鷲宮......」


鷲宮「犬村........何で......」



犬村「前に1度......廊下で会ったな.....。あの時は......まさかこんな事になるなんて.....がはっ!!」



笠井「おい、もう喋るな!!黒夜、早く病院に!」


黒夜「あぁ、救急車と警察にも連絡を......」





だが。


生き残ろうと足掻く者を



錆金「だ~~~~~~~~~め♡そんな事したらぁ♡」



死神が逃がすワケもなく。




黒夜「はぁ......はぁ........っ!!」



・・・・・・・・怖い。



足が、震える。


呼吸が、乱れる。



肺が、押し潰されそうになる。





錆金「黒夜?携帯から手を離しなさい?♡」




黒夜「ーーーーーーーーーっ!!」



逃げ出したい。


今すぐこの会社を辞めて

生き残りたい。





ボクは昔から


自分だけを信じてきたハズだろ?








犬村「・・・・・・・・・・・・黒夜」









黒夜「・・・・・・・・っ」




犬村「俺はいいから........逃げ.....ろ.......」






そうだよ。




ボクは筋力もないし、運動部にも所属してなかったし


逃げるのが1番だよ、うん。




逃げるのが.........1番...........












黒夜「・・・・1番.......カッコ悪いよな」



錆金「ほらぁ♡早く携帯を渡しなさいよ~~~♡」





黒夜「・・・・・・・・ボクが、相手だ」




錆金「・・・・・・・・・・・・ん?♡」








最高に怖いけど


最高に逃げ出したいけど








黒夜「ボクが相手だ!!かかってこいよ!!!」



やっぱり......”仲間”は裏切れないよ。




犬村「・・・・・・・・黒夜」







錆金「ん~~~~♡ウザいわねぇ♡