5人.....目... (20/23)
パァァァァァーーーン
黒い光が僕を覆う。
花純という女の子が
僕の前に現れた。
「今回の試練ご苦労様です。
あなたは条件の
‘‘啓介君を不合格にさせる’’
をクリアできませんでした。
なので‘‘啓介君と共に合格する’’
という望みは叶えられません。
残念でしたね。」
僕に向かって微笑む。
「そんなっ
啓介君は頑張ってきたんだ!
この日の為に死ぬほど
努力してきたんだ!
僕が....邪魔できないよ...。」
僕は下を向く。
なぜかというと、
本当に僕が邪魔をしていけない
からだと思ったのもあるけど
もう一度だけもう一度だけ
チャンスをもらえると思っていた。
少しして女の子の顔の方へ
視線をうつす。
「夢ゲームは人生で一度切り。
成功したら幸せな未来が、
失敗したらこの先地獄よ?
せいぜい地獄でも頑張って?」
香澄は消えた。
「そんな!
もう一度!チャンスをちょうだい...」
僕の声は
静かにゆっくりと
教室に響いて、消えた。
「あースッキリ!
あ、ガリ勉!頑張ろうな!」
啓介君がトイレから
戻ってきた。
「うん....」
僕は自分の席にすわり
前を向く。
あれ?花純は望みは
叶えられないって言ったよね?
だけどこれから試験が
始まる。
これでいい点をとれば
僕は啓介君と一緒に
実力で受かるかもしれない。
ガラッ