5人.....目... (18/23)




何分ほど歩いただろうか。


僕はどうやって啓介君を
不合格にさせるか
考えていた。



始めこの条件を聞いた時は
ありえないと思ったが
今ではその考えはない。



でも....
まだ迷っている僕がいると
言うことは否定できない。




しばらくして顔をあげると
高校受験の会場、
天神高校の門の前に
立っていた。




「うわ!もうついた。
緊張する。」



思わず独り言をもらす。



結構歩いてきたつもりなのに
すごく一瞬ような感じがした。





僕は天神高校の門をぬけた。






僕の受験する教室につくと
僕は机に鞄を降ろし
問題集を手に取り座る。



「ガリ勉!」




なんと僕の席の後ろは
啓介君の受験する席
だった。



「あ、啓介君。
後ろだったんだね。」



「まじ偶然!
ガリ勉!がんばろ!!」



啓介君は意気込んでいた。
意気込んだ後に
「ちょっ...トイレ!」




トイレにいってしまった。




神様はなんていい人なんだ。



これは机に落書きできるチャンス。
これは机の中に回答をいれるチャンス。
とてもとても絶好のチャンス。




「よし....」




僕は啓介君の机に手を
伸ばした。