5人.....目... (4/23)





「Xの最小公倍数って何?」





僕を真剣に見ながらいう。



「えっこんなのもわからないの?」


「うるさいな!」



あ、心の声がうっかり
でてしまっていた(笑)



「ごめん。ごめん。」


「俺、数学はどーしても
苦手なんだよなー。」


ポリポリと頭をかく啓介君。



数学のどこが難しいんだろう。
答えが決まっているし
ただの計算をしればいいだけの事。



「まずここは.....」


「ガリ勉ってどこうけるの?」


僕がせっかく塾の授業の
時間をさいておしえてやってるのに
なぜいきなり話をふるんだ。



「一応、天神高校。」


そう、僕が行きたい高校は天神高校なんだ。


天神高校は県内一
頭が良くて
僕のためにある学校のようだ。




「えっまじ?あそこ?」


啓介君は驚いたのか
目を見開いていた。




「ちなみに啓介君は?」


今度は僕が同じ質問を
ぶつける。



「実は俺も....。」



下を向いて自信なさそうに言う彼。



何があったんだろう。
ってか僕と同じ高校?
啓介君がうかるかな。


「おい今失礼なこと
考えたんだろ」



「はい、すみません。」







こうして今日の塾は
啓介君の面倒を見て
終わりとなった。