囁く両手 (17/21)



千明の顔色が変わった。

親指をボタンにあてたまま、躊躇している様だった。



「…あの人?」

「  ………」



今までの事を思い出す。

電話が鳴り千明が帰る、そして後日店に来ると決まって千明には痣が出来ていた。



「…出ないよね?」

「お前に…関係ない」

「千明」

「  っ……」

「出るな」