俺の昼時 (4/5)
男がものすごい形相で手摺りの向こう側へ足をかけた。
『ぁああ!!駄目駄目駄目駄目!!』
「死なせてくれ…!」
『マジで待って待って!!唐揚げ弁当食ってる最中だからやめて!!』
「何の関係だよ!!」
『わかんないけどやめて!!早まるな!!』
最悪の昼飯だ。
落ちつけ、俺。
冷静に考えよう。
『と…とりあえず…話そう?な?』
「ぬぅ…ぬふぅ!!」
ヤバい
目が絶対向いちゃいけない方向むいてる…。
刺激しないようにしなきゃ…。
『理由を…聞かせてくれ…ないか?』
「そんなもんねぇ!!」
え
それはないよね
それだけはないよね…。
理由も無しにビルの屋上に来て死にはしないよね絶対。
『な…無いことはないよ…あはは…はは』
「イライライライライライライライライライライラ!!!」
『ひぃぃ!!!わかった!わかったから落ちつけ!!』