ストーカーLevel6 (3/14)
「とりあえずさようなら」
「そのさようならが永遠のさようならにきこえるのは俺だけかな」
「ふふ」
「!」
私は沖谷にくるりと背を向けて、歩き始めた。
「美月たんの馬鹿ぁ!さっきまであんなにも愛を確かめ合ったというのに!」
馬鹿は君だと思う。
私はさっきまで誰にドキドキしていたんだろうか。
もういろいろ疲れた。
さっさと帰ろう。
「美月たんのドSー!」
「お前がドMなだけだ、変態」
「まあそういう美月たんがいいだけどハァハァ」
帰る。もう帰る。
そして、できれば忘れたい。
これはただの悪い夢だ。
うん、そういうことにしよう。