ストーカーLevel5 (7/12)
よくわからないうちに一日は過ぎ、ぞろぞろとみんなが教室から出て帰ろうとしていた。
私も帰らないと。
あ、でも沖谷と帰るんだった…
沖谷どこいるんだろう。
いつもなら一緒に帰る日はこのクラスの前で待っているはずなんだけど。
「美月、私帰るね~」
「ん、ばいばい」
とりあえず他の教室を探してみよ。
私は教室を出た。
「美月ー」
後ろから名前を呼ばれて振り返る。
「あ、佳奈」
「今帰るとこ?」
「うん。でも、さっきから沖谷がいなくて」
「えっ一緒に帰るの?」
「そう言われたはずなんだけど…」
「…へぇ」
「沖谷見なかった?」
「見てないよ!」
「そっか、ありがと。んじゃまたね」
「ばいばーい」
そう言って佳奈は笑顔で帰っていった。
「ったく、沖谷どこだよ」
吐き出すように言った。