ストーカーLevel1 (3/14)
ニヤリ。
私は不適に笑うと、直ぐさま曲がり角へと走った。
案の定、足音も走ってついてきた。
そして、足音が曲がり角にきたとき…
「オルァァアアアアアッ!!!!!!!!!」
背負い投げ、一本。
ふう、と額の汗を拭う仕草をする。
私は、自分の身は自分で護れ!という両親の教えから、幼少期より多くの武術を身につけてきた。
そのため、そこらへんの男共には絶対負けない自信がある。
「…あんた、何してるわけ?」
投げられて「うっ」と小さく呻き、動かなくなったやつを見下ろして言った。
黒いパーカーにスウェット。
身長は180前後といったところか。
顔は髪で半分が隠れ、辺りが暗いのもありほとんどわからない。
しかしどう見ても男だ。
「……。」
何も喋らない。
手加減して投げたので、喋ることぐらい出来るはずなのに。
「なんとか言いなさいよ」
「……き……ァ」
男が小さく呟いた。