女の友情 (2/26)
「甘橋って無感情だよね~」
「しっ!聞こえちゃうよ、みのり!」
「琴音もそう思うでしょ?だってクラスメイトが死んじゃったんだよ?普通もっと驚くでしょ」
私は小原 琴音(コハラ コトネ)。
隣で愚痴を言うのは佐々木みのり。
みのりはクラスで1番の美少女を敵視している。
いや、学校で1番…… いや……
高校生で1番の美少女かもしれない。
その美少女の名前は、
甘橋 ゆき(アマハシ ユキ)。
他の女子にはない色気と可愛らしさを兼ね揃えている。
切れ長の目は女豹のよう。
白い肌は雪のようにきめ細やかで美しい。
髪は真っ黒ロングなのに軽く、ふわりと揺れる。
甘橋ゆき。
彼女は完璧だ。
そりゃあ、みのりが事あるごとに彼女に突っかかっても仕方がない。
さらに、甘橋ゆきは冷静。
朝のホームルームで衝撃的な話を聞いても動じた様子はなかった。
今朝、4階のトイレで遺体が発見されたのだ。