金 麗 (29/62)





その夜 翔から電話がかかってきた。


「もしもし?麗か?」

「もしもし!どうだった?」

「あいつくそ鈍感というか単純。
慰めたらコロッと元気になって、

翔が浮気なんてするはずないかみたいな顔してた。

で、遠足の約束もしたよ!

とりあえず俺らは夕方あたりにあおうな?観覧車……な?」

「うん、あいつよりも先に観覧車乗りたい」



観覧車。

私にとっていちばんの恋人の聖地

そんなものまであいつに先に取られたらたまったもんじゃない。