金 麗 (13/62)
それでも夜の電話は勿論した。
「はぁー……やっべぇ麗不足」
「私も。橋本ばっかりかまってるから拗ねちゃうよ」
「仕方なくだし……
なぁあいつと一年付き合ってたらキスとかしなきゃいけねぇのかな?」
「………………」
「あ、わ、悪い……
ごめん。でも、出来るだけしないようにする。しようって言われても唇が腫れててとか言い訳つけるわ」
「なにそれ下手な嘘(笑)」
翔はいつも私のために生きてくれていた。
優しかった。
その優しさが、たとえ偽りであっても橋本の所にいくのは考えたくなかった。