橋本 桐香 (8/22)
「桐香、好き」
その子犬のような目に映る私は
かつて美人と呼ばれ続けてきた自信など失わせるほどひどい傷だらけの女。
「……桐香?」
「……ん、あぁごめん」
「俺 桐香のこと離したくないわ」
「……うん」
「もう傷つけねぇから」
「……はは」
「実はさ」
「うん」
「画鋲投げてた時 俺は一個も投げなかったんだよね 俺は傷つけちゃいけないと思った」
「そっか」
翔が投げようが投げまいが、他のみんなが投げたら何も変わらない。
そのことをわかって言っているのだろうか?
「これからは何があっても守る」
「う、うん」
私は金のことが気掛かりでしかたなかった。
所詮これは裏切りの一環。
私は翔のことを好きになったらおしまいなんだ。