0003 杉並 ルシエ (32/32)

それから数日後。仕事が終わり、家に帰る度に2つのSCMを見つめる。


1つはあたしのSCM 0003。


もう1つは、目黒と同じアパートに住む男から売ってもらったSCM。


シリアルナンバーは0004。


偶然の連番には驚いたけど、なんとかして、この4番SCMを目黒に付けさせてみたい。


そして勝負をして、絶対に勝たなければいけない。でももし、勝ってもSCMの効果なんて嘘だったら。


あたしはそんな思考を繰り返しながら、4番のSCM、こないだまで、あの小汚い若者が口に付けていたSCMの匂いを嗅いでみた。


くさっ!


昔抜いた虫歯と同じ匂いがする。


けどこのSCMは洗浄しない。この臭くて屈辱的なSCMをそのまま、どうにかして目黒に付けてやりたいんだ。


まず、どうやってこのSCMを付けさせるか。


小包で送ってみようか?でも付けずに捨てたら終わりだ。


興味を持ってもらう為に、SCMの説明書を付けて送ってもいいけど、余計な知識を持ってもらっても困る。



ん?余計な知識?



あたしの脳に、細い光が降りた気がする。あたしは光を感じた言葉を、頭の中で微妙に変えながら繰り返す。



余計な知識。無駄な知識。
余計な知識。いらない知識。
間違った知識。



間違った 知識。



あたしの中の光が、天使が舞い降りたような輝きに変わった。