0013 品川 ゼロ (27/103)
「次にドーパミンの中毒症状が出て強迫性障害や多動性障害が 」
「あの そろそろ頭がパンクしそうなんだけど」
僕が話に水を差すと、少年は少し不機嫌になりました。
そして仕方なさそうに、ゆっくりした口調で言います。
「じゃあ頭の中で繰り返して」
うわあ。子供に言われるセリフじゃないよ。
なんかすごくプライドが崩れる言い方だなあ。
けど、僕は黙ってうなずき、少年の次の言葉を待ちました。
「つまり SCM自体が快感を与える1つの神経として脳に寄生すると考えるんだ」
SCMが1つの神経として脳に寄生。
「仮とはいえ SCMという神経を無理矢理 脳から引きはがすと考えてほしい」
脳から神経を無理矢理引きはがす?なんか痛々しいな。
「まずいの 分かるでしょ?」
「分かる」
「当然 脳に悪い作用が起きるのは分かった?」
「分かった」
おもちゃだと思っていたSCMという器具が、何か恐ろしい寄生生物に思えてきました。
そして少年の頭の良さには、なんだか自分が情けなくなります。