0003 杉並 ルシエ (28/32)

「けど本当に恐ろしいのは そのブログの閲覧者からSCMを欲しがる人が殺到したんだ」


あたしが話す前に、男は話を続けてしまった。


「そりゃ俺も 何でも言うことを聞くメイドちゃんが欲しかった」


は?


「けど そんな異常な欲求を望む連中と勝負するなんて 怖い」


変な言動もあるが、男がSCMを手放したいという気持ちは、まあ理解できる。


「さらに SCMの奴隷には説明書には載ってない おそらくはSCMの制作者にすら想定できなかった【第二段階】があるんだ」


SCMの制作者?そんなこと考えもしなかった。確かに誰がSCMを作ったのかも気になるけど。


「第二段階?」


「説明書は読んだよね?」


あたしらは赤信号になった交差点で、立ち止まる。


「一応 一通り」


あたしは顔を男に合わせ、答えた。男もあたしに視線を合わせる。


「47ページにSCMでも感情は操れないって あったろ?」


ページは覚えてないけど、そういえばあった気がする。あたしは黙ってうなずいた。


「けど 長い時間 およそ2000時間前後 奴隷でいると 心まで主人に捧げるようになるんだ」