0011 中央 アタル (12/142)
むしろ可能ならリュウオウをぶっ殺してやりたいと思う。
いや、思わない日はなかった。
だが、リュウオウへの反抗は、それ以上の恐怖を感じるんだ。
それに、命令を受ける感覚は仕事で上司に指示をされる感覚とよく似ている。
または信用できる医者に「君は病気だからこの薬を飲んで」と言われ、疑問にも思わず自然に薬を飲むように。
確かに身元が保証されているガス屋に「お宅のガス線に異常がみられるから 家に入れて点検させて欲しい」と言われ、家に人を入れるように。
主人の命令は、自然に受け取ってしまう。
さらに恐ろしいのは、その感覚は日増しに強くなっていくんだ。
リュウオウは、俺たち奴隷の飼い方がうまい。
例えば、あいつはタバコが嫌いだ。
そして俺もジュリアもタバコを吸う為に、奴隷になった際には真っ先に禁煙を命じられた。
だが俺ら奴隷が、新たな奴隷を増やした際にはリュウオウからタバコを吸ってもいいという褒美や、ちょっとした贅沢など、自由が増えるという褒美が貰える。
そりゃあ、褒美自体もうれしい。
そしてそれ以上に、奴隷の俺たちは主人から与えられた褒美や賛辞が、中毒的にうれしくなるんだ。