0009 中野 タイジュ (5/65)

着けるか着けないか、もしかしたら捨てられる可能性もある賭けだったが、説明書さえ見てくれればいい。


あの説明書を読んで、SCMに興味が出る可能性は高い。


SCMの説明書には、そんな不思議な魅力がある。


偶然と自分を装って、彼女を奴隷にしたかった。


SCMの力で彼女を奴隷にし、俺の命令で彼女は俺の主人になるんだ。


奴隷にしてから『主人になれ』と命令する。


これが俺の計画だった。


経過はどうあれ、結果的に彼女の側にいれればいい。


これは恋愛じゃない。


自ら、自分が信じる神を作る。


ある意味、自分で宗教を作ることに似た行為だ。


何度も携帯でチェックしていたが意外に早く、その日の晩に彼女がSCMを付けた反応があった。


そこから俺は女装した。


別に、そういう趣味がある訳じゃない。


もちろん俺は女が好きだ。


元々、女顔で体型も声も女性に近いし、学生時代の文化祭で女装したら意外に好評だったから自信があった。


男の姿で近づくより、女の姿の方が信用されやすいと判断したんだ。


けど、それは見事に正解だった。


オタクな格好で彼女にSCMを渡し、女の格好で勝負をしかけることに成功した。