0021 千代田 マリヤ (70/85)

キヨゼロとシンノスケくんは卓を挟んだ両端のソファーに座り、向かい合っていた。


ぼくはキヨゼロの隣に座り、卓の上に置かれた2つのSCMを見ていた。


キヨはゼロの母親。けど17年前の火事で死んでいるはずだった。


「ゼロのSCMが作動した時 おれはゼロの身体を操っていた」


「SCMにそんな機能あったん……すか」


シンノスケくんはキヨゼロの話を踏まえたような言い方をした。いきなり信じてるの?こんなオカルトな話。


まあでも、気持ちは分からないの反対。こればかりは信じないと話が進まない。


「おれの存在が霊なのか多重人格ってやつなのかは分からないし どうでもいい」


キヨゼロは更にゼロくんのことを続けた。


「ゼロは3年間を繰り返してんだ」


「はい?」


ぼくの時と同じ反応をするシンノスケくんに、キヨゼロは丁寧に説明を初めた。


17年前の火事。そして3年前、彼が住む児童擁護施設も火事になった。


2度の火事によってゼロくんの心はボロボロ。崩壊寸前だった。


キヨはそれを阻止する為に、ゼロくんの記憶を繰り返させた。


けどよくよく考えてみれば、その繰り返しも重大なストレスなんじゃないの?


そんな疑問が浮かぶけど、この場で言えるような空気じゃなかった。