0019 練馬 ヨシムネ (13/63)
「よんじゅうご」
もうちょっと外出て、お空の下で堂々とうまい事言ってさ、鮮やかに騙そうよ。
ワシは向きを変え、窓の外を見る。
「ごじゅう ごじゅういち」
人は責任を感じた分だけ責任を真っ当しようとする。
そんな簡単な方程式があるのに。
それを解けば、人の心はたまねぎみたいに剥けていく。
たまねぎはどこまで剥いてもたまねぎ。
剥いても剥いても、人の心には微妙に味を変えた心がある。
芯まで行けば行く程、甘く柔らかくなる。
カモの目の前で罪の意識に付け込み、相手の弱みに抱きついてネジリ奪う。
それが奪う側の美学ってもんでしょ?
「くくっ ごじゅうはち」
ワシは思わず自分の考えに笑った。
この年になっても、こんな事考えて気持ち良くなるなんて。
ろくな死に方しそうにないね、ワシって。