0019 練馬 ヨシムネ (10/63)
ツバキもそれを察したんでしょ。
ワシの問いで、ツバキの笑顔が止んだ。
表情は見る見る歪み、鼻と頬に険しいシワを作る。
まさに鬼の様な鋭い目元が見えた。
いや、こいつの表情はまるで愚かな餓鬼畜生。
そして、ワシに一歩近付き、持っていたカバンを自らの肩より上に上げる。
あーあ。ワシやっちゃった。
バコッ!
「ぼっ あ」
ツバキはワシの頬をカバンのカドで思いっきり殴り付けた。
ガタンッ
勢いでイスの足元に尻を着く。
「イタタタ」
奴は倒れたワシの耳元に顔を近付ける。
「うるせえぞ干物が 滅ぼすぞ」
「うぶっ うん ごめんなさい」
そして立ち上がり、スーツを整えると、またニコニコした笑顔でワシを見下ろす。
「 1 から 1億 でも数えていろ」
バタンッ
その言葉を最後に、奴は出て行った。