無くした傘と母の行方 (14/17)
「千明ー、ただいまー」
千明からの返事がない事に違和感を覚えながらも、靴を脱いで居間へ向かう。
居間へ近づくと、その扉の向こうから微かに話し声が聞こえた。
何だ居るんじゃないか。
トマト達と遊んでるのかな?
また散らかってるかな、何て事を考えながら扉を開けた。
「千明ー、居るなら返事っ…」
「いや、違うって嫁じゃねぇって」
「ちょっ…千…明?」
「あっ帰ってきた!いや、だから違げって、嫁じゃねぇって、いやおっさん聞けよコラ」
「ち、ちあっ、千明、い、一応確認するけどさ、だ、誰と電話してるの?」
「椎名の親父」
「受話器貸して!!!」